FXトレーダー不眠!チャートから目が離せない!このままでいいの?

本日の相談者はFXトレーダーのタクミさんです。

チャートが見るのが楽しく、面白く
ワクワクするため眠るのがもったいなくて
1週間ほとんど眠らない状態が続いていました。

仕事が楽し過ぎるのも善し悪しで、
その後死ぬほど頭が痛くなり
さすがに「このままじゃまずいんじゃ?」
と心配になり、相談に来られました。

 

目次

睡眠不足が体調不良を起こす理由は?

睡眠不足は身体に良くないのは
経験上わかっているつもりでも、

睡眠はとかく後回しにされがちです。

「あとで、眠ればリカバリできるでしょ?」

果たしてそれで良いのかどうか解説してきますね。

 

断眠実験

まずは眠らないと人は一体どうなるのでしょうか?

動物を断眠させるとどうなったか?

1980年にシカゴ大学にて
ラットを断眠させ、
何が起こるかを観察する実験を行いました。

結果、1週間ではさほど変化はありませんでしたが、
2週間になると毛が抜け、運動性が低下し、
体温が下がり、食べても体重が下がり、
3~4週間後に
感染症やそれに伴う多臓器不全で
次々と死亡(;_:)

つまり断眠は視床下部の恒常性維持機能や、
免疫機能にもひどいダメージを与えてしまう
のです。

ただ、死に至る前に睡眠を取らせるとやがて完全に
回復することから、
睡眠はある程度融通が利くのです。
(なので、徹夜続きなど無理が出来てしまうのですね)

融通が利くのは良いですが、逆に
少しぐらい眠らなくても大丈夫と経験上わかってしまい、
大切な睡眠を軽んじてしまう人が多いのだと言えます。

 

人が長期間眠らないとどうなったのか?

Photo by Joel Naren on Unsplash

1964年、17歳の高校生だったランディは「不眠記録への挑戦」を
し、1964年12月28日午前6時に目覚め、11日間も起きていたという
有名な記録があります。

スタンフォード大学の睡眠研究の著名人ウィリアム・デメント博士が
立ち合い、詳細な観察、記録し、脳波も測定していたため
今の重要な睡眠研究のデーターとなっています。

さて、ランディはどうなったでしょうか?

二日目あたりから、
怒りや体調不良、記憶障害見られ、
妄想、ひどい疲労感を訴え、

7日目には震えが現れ、
ろれつが回らなくなり、
言語障害が出ました。

ですがランディの場合は
当初、睡眠学者が精神疾患や、
身体に危険な症状が出るのではという
予想通りにはならなかったそうです。

その後14時間40分眠って普通に目覚め、
1週間後には後遺症を残すこともなく、
元通りの生活に戻ったのです。

だからといって、誰もが挑戦するのは大変危険です。

ランディは11日間も眠らなくても元に戻れましたが、
古い時代、断眠させる拷問によって
精神異常をきたしたという記録はいくらでも
あるのです。

ランディの体質が特異だったのかもしれず、
それについてもまだ科学的には解明されていないのです。

 

いづれにせよ、眠らないでいると、
脳が正常に働かなくなり、身体は危険な状態に陥りますし、

当然トレードで大きな失敗をしてしまう可能性が大です!

次に睡眠の役割について簡単に説明します。

 

 

睡眠の役割

325さんによるイラストACからのイラスト

睡眠は単に身体の休息のためだけではありません。

  • 脳と身体に休息を与える
  • 記憶を整理して定着させる(嫌な記憶は消去)
  • ホルモンバランスを調整
  • 免疫力アップ
  • 脳の老廃物を洗い流す

 

これら重要な役割が睡眠不足で
機能低下したらどうなりますか?

 

パソコンが熱を持つと正常に働かなくなります。
脳も休ませないと同じことが起こります。

体調不良、判断力、精神などに異常が起こるのは明白ですね。

脳の老廃物は若いころからの積み重ね
溜まっていきます。

毎日最適な睡眠で老廃物もきれいに洗い流さないと蓄積され、
将来アルツハイマーなどの疾患になる
危険があるのです。

若い時はイメージしづらいかもしれません。

でも、眠らないと確実に脳内はゴミだらけになりつつあり、
アルツハイマーを患うと記憶がなくなり、
現状が認識できず、妄想、徘徊といったことが起きてきます。

お金があっても楽しむどころでなくなります。

 

 

トレードに夢中で眠らないデメリット

前述の断眠実験でお伝えしたこと以外にも
デメリットはたくさんあります。

マイクロスリープ(瞬間的居眠り)

 

徹夜、もしくは極度の寝不足の時、
一瞬だけ眠ってしまったという経験はだれしもあるでしょう。

このマイクロスリープ1秒から10秒程度の眠りで、
脳を守る防御反応と呼ばれています。

脳が自らを守るために眠ってしまうほどですから、
異常事態なのです。

トレードを行う上でも良いわけがありません!

大きな損を出すかもしれませんし、
家の中でもケガをするかもしれませんし、
運転中なら事故につながります。

実際、スペースシャトル「チャレンジャー号」の
爆発事故も睡眠不足が
打ち上げ判断ミスを招いたとされています。

その他日本でも、睡眠不足による運転ミスで
多くの命が奪われていることから、
睡眠を削るのはとても危険な行為だと
再認識してくださいね。

 

 

健康とルックスに悪影響 

眠らないとホルモンバランスが崩れるのでしたね。
睡眠に関係のあるホルモンは健康に密接に関係があります。

肥満に関係するホルモン


食欲を抑制するレプチンが減り、
食欲を増進するグレリンが増えます。
つまり、食べ過ぎが起きて生活習慣病まっしぐらに…

と同時に見た目も肥満はあまりよろしくないですね。

アンチエイジングのホルモン

グロースホルモンと呼ばれる成長ホルモンは
大人でも分泌され、身体の細胞の成長、新陳代謝促進、
皮膚の柔軟性アップなど健康の維持、
加齢を遅らせるアンチエイジングの役割があります。

グロースホルモンは最初の深い眠りの時に70~80%分泌されます。
ただし、いつも寝ている時間に起きている、つまり
いつもと違う時間に起きていると全く分泌されず
入眠時間を朝方や昼間にずらすと、
夜間の最初の深い眠りの時のような
大量の分泌は起きないのです。

つまり、いつもの時間に最初の90分を深く眠ることが
大切なのです。

眠らずにトレードを続け、
不規則な睡眠を習慣にすると
老化が加速
してしまうということですね。

◆睡眠不足の人は見た目印象も悪い?!◆

スウェーデンのカロリンスカ研究所(ノーベル生理学・医学賞の選考委員会が置かれている)にて、
ある研究が行われました。

男女合計25人に二晩続けて4時間しか眠らせず、その人たちの写真を撮って
100名以上の人に見せたところ、
健康そうでない」「眠そう」「魅力的でない」「付き合いたいと思えない
というマイナスのイメージの評価しかなされなかったというのです。

これは人生において大切なチャンスをつかめない危険が大ありです。

印象の悪い人と一緒に何かをしたいと思いますか?
恋愛のチャンス、ビジネスチャンス、生涯の親友に出会うチャンス、
人脈という資産をみすみす逃してしまっているかもしれないのです。

 

このように”眠らない”行為は
今だけでなく将来に渡って弊害があるのです。

 

将来、お金があっても未来はない?

失礼かもしれませんが(^^;)仮にFXで成功し、
一生困らない金額を稼いだとしても、
その時点で、不健康になってしまっていては
何のために大切な睡眠を削ってお金を稼いだのか
わからなくなりませんか?

夢があってお金を稼ごうとしたんですね?

「さぁ! これからやりたかったことを
思う存分楽しむぞ~!!!」

でも?

負荷がかかり過ぎた身体と
健康に過ごした身体では、
老化速度、病気になるリスク
どちらが~?なんて愚問ですね(^^;)

大きく稼ぐ前に
極度の睡眠不足の危険な状態で、
食べ物を買いに出かけ、
事故に遭って死んでしまう可能性だって大です。

トレーダータクミさんの睡眠改善体験談

前述のタクミさんは相談に来られた時、
顔色が悪く、覇気もありませんでした。

どんより”がぴったりな感じ(;’∀’)

睡眠を取れるようになったでしょうか?
実体験を見ていきましょう。

 

 

FXに夢中で眠らなかったら脳はどうなった?

しらたさんによるイラストACからのイラスト

タクミさんは、トレードが楽しくて、
ゲーム感覚で夢中になり、
ふと気が付くと1週間まともに眠っておらず、
そんな時、強烈な死ぬかと思うほどの
頭痛に襲われました。

頭痛の前は
一種『躁』状態だったそうです。
『躁うつ病』のハイな状態です。

「とことん行けるぞ~~~!!!」

みたいな…..(;’∀’)

『躁』状態が続いていたのですから、
もちろん脳に異常が生じていたわけです。

脳は「これ以上は無理!死ぬよ!」と判断し
眠ってもらうために
強烈な頭痛を起こしたのでしょう。

強制シャットダウンですね(;’∀’)

さすがにタクミさんも
「寝なきゃヤバイ!!!」
となり、頭痛薬を飲んで眠ったそうです。

幸い2,3日ゆっくり眠り休養をとり
元気を取り戻しました、本当に良かったです。

睡眠改善方法

眠らなくても大丈夫という考えを改め
睡眠の役割、大切さを理解してもらいました。

勤めていれば、規則的な生活が出来ますが、
フリーランスで一日自由に使えるとあって、
不規則になり問題が起きてきたようです。

 

睡眠を一日のスタートにする

睡眠が不足している、または
睡眠負債を抱えている人は、
一日のうちで、
あれもやらなければ、
これもやらなければと
タスクを多く作って実行しています。

そして、それらが終わって残りの時間を
睡眠時間に充てているのです。
なので、睡眠の優先度は最下位

タクミさんも、
FXで稼がなければという思いから始め、
そのうちに
上手くトレードが出来た高揚感から
脳がその快感を覚えてしまい、
ずっとトレードをしていたい!

となってしまったと思われます。

優先順位1位FXを睡眠の後の2位にして、

夜12時に必ずベッドに入る=一日のスタート

このルールを強く意識してもらうことにしました。

 

眠る時間がもったいない?効率よく睡眠を取る方法

そうはいっても人は簡単に習慣を変えられません(-_-;)
タクミさんも渋々自分で決めた12時に就寝のルールを
守らなければとベッドに入ったものの、
中々寝付けません。

寝つけないから、また起きてPCの前に….

寝る直前までトレードをやっていては脳が覚醒し、
なかなか寝付けないのは当然です。

そこでスタンフォード式最高の睡眠法を実行してもらいました。

スタンフォード式最高の睡眠法

眠りの最初に現れる深い睡眠を黄金の90分にすれば、
「究極の疲労回復」と「最強の覚醒」を得られる
スタンフォード大学医学部教授である西野清治博士が
提唱されている睡眠方法です。

 

スタンフォード式最高の睡眠法
  • 1.起床時間を固定する
  • 2.朝、太陽の光を浴びる
  • 3.朝ご飯をよく噛んで食べる
  • 4.朝の運動(速足ウォーキング程度)
  • 5.起きている間はしっかり覚醒する
  • 6.夜の照明は暗め
  • 7.就寝90分前に入浴し深部体温を上げる
  • 8.眠りの環境を整える

これを元にタクミさんに生活習慣を見直してもらいました。

1.起床時間


就寝時間も起床時間も固定する方が
身体の生体リズムを整えやすいため、
12時就寝、7時起床を実行してもらいました。

 

2.朝、太陽の光


朝起きやすいように、カーテンの隙間を開け朝日が部屋に
差し込むようにしました。

窓を開けて、数分太陽の光をまぶしく感じる程度に
光を浴びるだけで覚醒し、体内時計が整います。
タクミさんもこれなら簡単だと毎日浴びています。
  

3.朝食

 朝食は歯ごたえのあるものをしっかり噛むと
 より覚醒し記憶力もアップ
します。

 理想を言えば野菜、タンパク質も
 しっかり食べましょう。

 タクミさんは、朝食の習慣がなかったため、
 気乗りしませんでしたが、
 グラノーラだけでも食べるようにしてもらいました。
 
 スープなど温かい汁ものは体温を上げ、
 より覚醒します。
 カップスープなら簡単ですね。

 

4.朝の運動

FineGraphicsさんによる写真ACからの写真

 ずっとトレードに夢中で、筋力も落ちてきたと
 気にしているタクミさん。
 凝り性なため、
 しっかり筋トレをしたいとの
 希望でしたが、朝に激しい運動をすると
 体温が上がり過ぎ

 汗をかく→熱放散が起きる→
 元の体温より下がる→眠気がくる

 このように、
 睡眠のリズムをキープするには
 逆効果になるため、
 軽く速足のウォーキングをしてもらって
 います。
 
 

5.日中はしっかり覚醒する

 

 昼間は大好きなトレードに集中。

 

kaboompics / Pixabay

 昼食後の眠気覚ましにコーヒー。
 コーヒーは適量なら、
 2型糖尿病、肝臓がん、
 子宮内膜がんのリスクを減らします。

 ただ、カフェインの血中濃度が半分になるのに、
 4時間かかります。

 夜も眠気覚ましにコーヒーを
 ガンガン飲んでいたタクミさん。

 夕方からは夜の睡眠に備えて
 ノンカフェインに変えてもらいました。

6.夜の照明

 太古の昔から人の身体は朝の太陽の光で
 体内時計をリセットし、日が暮れれば
 身体はOFFモードに徐々に切り替わり、
 眠り、身体のメンテナンスをし、
 翌日また元気に活動するという遺伝子が
 組み込まれています。

 夜に煌々とした明かりを浴びていると、
 体内時計が狂い、
 最高の睡眠を阻害されてしまう
のです。

 夜はブルーライトの照明でなく、
 暖色系のライトの間接照明に変え、
 PCやスマホの画面もアプリなどを使い
 ブルーライトカットを徹底してもらいました。

7.入浴

 トレードに夢中だったタクミさんはもちろん
 シャワーだけでしたが、
 最高の睡眠を手に入れてもらうために、 
 寝る前の1時間半前に熱くない程度のお湯に
 つかることをまず1週間続けてもらいました。

 深部体温が下がりやすく、
 すっと眠りに入れるようになり、
 喜んで習慣にしたいと言っています(^^♪

8.寝室の環境

PIRO4D / Pixabay

 今までは、トレードをする部屋のソファで
 眠気が我慢できなくなったら取り合えず寝るという
 スタイルでした。それでは良い眠りを得ることは
 できません。

 ON OFFの切り替えも大切です。

 寝室を居心地よくするため、
 ベッドマットレスや枕、リネン類なども
 汗を吸収しやすい、気持ちの良いものに変えました。

 寝室では、リラックス、何も考えない状態が
 最適です。

 寝室=”ぼ~っとする場所”

 と何度もタクミさんに言いました。
 スマホを見始めかねないからです(^^;

 

 

FXトレーダーが睡眠を規則正しく取るようになって変わったこと

習慣は一石二鳥では変えられません。

タクミさんも元に戻りそうになりながらも、
3ヶ月頑張って習慣に出来ました。

頑張れたのは、将来の夢について考えてもらい
実行するには心身の健康がなくてはならないと
気付いてくれたから
です。

そして、最高の睡眠がとれた日は、
頭の回転の良さ、気分の爽快さに感動
したそうです♪

見た目もすっかり快活で健康そうな青年になりました。

引きこもってFXに熱中していたころより、
外に出るようになり、
人との良い出会いも増えたそうです。

タクミさんが言った印象的な言葉があります。

お金だけでは豊な人生は送れないんだな。」

すばらしい気付きをされましたね。

まとめ 

眠りをおろそかにする代償は大きいです。

良い眠りを味方につければ、
今後の人生も開けてきます

起床時間を守る、朝は光を浴びる、朝食を噛んで食べる、
メリハリのある日中を過ごす、夜は暗めにオフモードに
切り替えていく。

一日のルーティンを体内時計に沿ったものにするだけで、
仕事もプライベートもきっと上手く回り始めるはずです。

FXに熱中するエネルギーを睡眠の方にも回してあげて
くださいね。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。
今夜もリラックスしておやすみなさ~いZzzz

 

参考図書 スタンフォード式最高の睡眠 西野精治著
     熟睡の習慣 西野精治著


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