
今日の相談者は30代ネットでブログ指導を
されているショウさんです。
副業が上手くいき、脱サラをして
ネットビジネスだけで家族を養っています。
元来まじめな方で、自分が成功した方法を
教えています。
受講生が独り立ちできるまで、
真剣に一生懸命指導し、
口コミで、受講生がかなり増えたそうです。
そうなると当然多忙になり、
夜中でも受講生の質問に答えるべく
睡眠を削ってしまう日々が一年続いています。
まとまった睡眠時間を確保できず、
短時間ずつの分割(細切れ)睡眠しかできず、
眠れても1~2時間で目が覚め、
睡眠不足による疲労感、
仕事が思うように進まないイライラ感でさらにストレス不眠、
家族と過ごす時間が少ないのが辛いと
相談に来られました。
ショウさんの問題点
1.昼夜問わず仕事
2.心身に疲労感
3.家族との時間がない
4.以前のようにアイデアが浮かばない
ブログ指導をされているショウさんに
睡眠の改善し、問題点を解決する方法を実践してもらいました。
その方法と結果をご紹介します。お役に立てれば幸いです。
目次
不規則で少ない睡眠時間が良くない理由は?
ぐっすり眠れば次の日はすっきり、
日中もテキパキ動け、脳の回転も良くなるのは
経験された事があると思います。
まず睡眠中に何が行われているのか
正しい知識をつけましょう。
睡眠にしかできない役割
どんなに科学が発展しても、
睡眠の役割を他の方法で補うことは
今のところ出来ません。
1.脳と身体に休息を与えている
眠っている間、自律神経のリラックスモードである
副交感神経がしっかりと優位になっていると、
寝つきも良く、深く眠れます。
逆に寝る直前まで交感神経が優位の状態では、
寝つきも悪く、眠りは浅くなり、
自律神経のバランスが崩れ、消化器官の働きや、
体温調節など身体の根本的な機能が上手くいかなくなります。
2.記憶を整理して、定着させる
レム睡眠中、ノンレム睡眠中いづれも、
記憶を整理し、定着させ、
また、眠りはじめ直後に現れる深いノンレム睡眠時は
嫌な記憶を消してくれるのです。
3.ホルモンバランスの調整
睡眠不足になると、
食欲を抑制するレプチンというホルモンが減り、
食欲を増進させるグレリンというホルモンが増え、
つまり肥満になります。
寝始めの最初の90分を深く眠れば、
成長ホルモンであるグロースホルモンが最大限に
分泌され、傷ついた細胞を修復し、
代謝を正常に行わせ、肌にハリツヤを与え、骨や筋肉を強化してくれます。
4.免疫力アップ
免疫とホルモンは連動しているため、
睡眠が乱れると、ホルモンバランスが崩れ、
免疫も上手く機能しなくなります。
睡眠をきちんととれば、
ホルモン分泌が正常に行われ、免疫力が上がります。
5.脳の老廃物除去

脳は活動すると酸素消費が激しく、
アミロイドβなどタンパク質の老廃物が
蓄積されます。
このアミロイドβなどの老廃物の沈着は
アルツハイマーなど認知症、神経疾患のリスクを
上げるのです。
通常は眠っている間に”グリンパティック・システム”
と呼ばれる脳の掃除機能が働き、
沈着を防いでくれます。
起きている時より、
睡眠中の方が4~10倍活発に行われています。
若いころからの睡眠不足は
将来のアルツハイマーや認知症を引き起こす
危険因子となる可能性があるというわけです。
以上睡眠の大きな役割を挙げましたが、
睡眠がとても大事だとお分かりいただけたはずです。
細切れ睡眠で疲労が溜まる理由
では、一日のうちでまとめて眠らなくても、
仕事の合間を見て何度か仮眠し、
総合計の睡眠時間が足りていれば問題がないのでは?
と思われるかもしれません。
そうせざるを得ない場合は
細切れでも眠らないよりもずっとマシですが……..
連続して6時間眠った場合と
細切れでトータル6時間眠った場合では、
量は同じでも、質が全く違います。
ノンレム睡眠、レム睡眠が交互に現れる
スリープサイクルが、
細切れの場合正常に現れません。
結果、上記で説明した睡眠の恩恵に預かりづらくなるためです。
細切れ睡眠のデメリット

細切れに睡眠をとっていても、
なんだか頭も身体もスッキリしないですよね。
このまま細切れ睡眠を続けていくとどうなるでしょうか?
1.生活習慣病のリスクが増大
2.将来的に身体だけでなく、認知症や精神疾患のリスクが増大
3.日中のパフォーマンスが落ち続ける
4.見た目も悪くなり、様々なチャンスを逃してしまう
5.集中力低下、マイクロスリープによる、事故に遭うリスク増大
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.生活習慣病
睡眠が不足すると次のようなことが
あなたの身体に起きます。
◆血糖値が高くなり糖尿病になる
◆食べ過ぎを抑えてくれるホルモン
「レプチン」が出ず肥満
◆食欲を増加させるホルモン「グレリン」が出て肥満
◆交換神経が常に緊張し続け、高血圧
例えば、こんな知人がいます。
夜遅くに外食し、お腹いっぱい食べ、
家に帰っても3時ごろまでゲームをしたりで
眠りません。
睡眠不足が続いているので、食欲が暴走して
家でも夜中にお菓子などを食べてしまいます。
どんどん肥満になり、
年齢と共に実際血糖値も血圧も上がって来ています。
肥満により、股関節や膝関節にも負担がかかり、
痛みが出ることもあるそうです。
今はまだ30代でなんとか持ちこたえていますが、
10年後20年後は
確実に命に関わる生活習慣病を抱えてしまうでしょう。
2.精神疾患、認知症

睡眠不足は脳にも悪影響を及ぼします。
◆精神が不安定になるため、うつ病、
不安障害、アルコール依存症、
薬物依存の発症確率が上がる
◆脳の掃除”グリンパティック・システム”が十分に働かず、
将来のアルツハイマー型認知症発症確率が高くなる
睡眠が足りていないと、うつ病の発生リスクは
約3倍増えるそうです。
睡眠不足だと元気が出ませんよね。
イライラしたり、ちょっとしたことで落ち込んだり、
どうみても心身ともに元気とは言えません。
それが続くと精神状態にも影響が出てきます。
精神状態が悪いと、ついついお酒や薬で
辛い状態を紛らわせようとしてしまいがち。
そうして、アルコール依存、薬物依存に陥ってしまうのです。
3.日中のパフォーマンス
◆アスリートたちが大事な試合の前に睡眠が不足した状態で、
ベストパフォーマンスが期待できるでしょうか?
世界のアスリート、エグゼクティブたちは、
食事、身体を鍛える事と睡眠をとても大切にし、
日中のパフォーマンスを上げて最短で結果を出し続けているのです。
4.見た目が悪くなる
2017年にスウェーデンのカロリンスカ研究所で
発表された研究報告では、
男女25人に二晩つづけて4時間だけの睡眠を取ってもらい、
彼らの写真を撮り、100人以上の人に見せたところ、
「眠たそう」「健康そうでない」
に加えて
「魅力的でない」「付き合いたいと思えない」
という感想が返ってきたそうです。
このように第一印象が良くない人とあなたは
大事な仕事をしたいですか?
大切な人を紹介したいですか?
信頼できますか?
そして睡眠不足で髪が薄くなることもあります( ;∀;)ハゲる?!
5.マイクロスリープ
マイクロスリープは瞬間的居眠りです。
睡眠不足の状態で、眠ってはいけない場面(例えば会議中など)で
眠気と一生懸命に戦っていても、
一瞬カックンと眠ってしまった事は
だれしも経験があるでしょう(^^;)
このマイクロスリープは1秒から10秒程度の眠りで、
脳を守るための防御反応と言われています。
つまり、脳がもうこれ以上起きていては
脳の機能が破綻する!と
強制シャットダウンさせるのです。
これが運転中だったら、どうなるでしょうか?
過去にもたくさんのマイクロスリープが
原因の悲惨な事故が起きています。
時速60キロで走行中、5秒の間意識がない状態になると、
およそ83メートルも暴走することに!
乗客を乗せたバスの悲惨な事故も多いです。
2017年に長野県で起きた消防防災ヘリコプターが
墜落し、搭乗者9人全員が死亡した痛ましい事故も
マイクロスリープが原因だと報じられています。
飲酒は飲んだ自覚はありますが、
マイクロスリープは本人に自覚がないだけに
恐ろしいのです。
少し眠気があるけど、集中すれば大丈夫!
と思ってしまうのです。
でも、脳はあなたの意志とは関係なく
眠ってしまう。
瞬間とはいえ、
運転中、大切な商談の場面、危険な場所で起きたら
どうなるでしょうか?
恐怖でしかありません、
今まで頑張ってきた努力が水の泡、
それどころか命を落とすこともあるのです(-_-;)
細切れ睡眠を改善し日中のパフォーマンスを上げ家族とも幸せな時間を得た方法
ブログの教え子が100人を超えているショウさん。
一日中相談にのったり、
質問が飛んできたりで大忙しです。
添削の仕事も溜まり気味で、
いつも気になっています。
ふと気が付くと朝になってしまっていることもザラ。
妻や子供たちからも心配の声や、
ゆっくり話をする時間も作ってくれないと
不満の声も多くなり、
仕事と家庭の両立が出来なくなっています。
仕事はやりがいを感じ、
ついついのめり込んで、
寝食を忘れてしまうようです。
そこで次のワークをしてもらいました。
1.夢を思い出し書き出す
ショウさんが、独立したときにどんな目標、夢を持っていたのか
思い出してもらいました。
一部紹介すると、
- ネットビジネス一本で家族を養う
- 資金が出来たら、投資で増やす
- 家族との時間を大切にする
- 年に一度は家族で海外旅行、季節ごとに国内旅行
- ビジネス仲間を作って企画を練ったり、ワクワク仕事をする
ショウさんの感想は、
「忙しさと眠気で初心を忘れていた!」
と少々落ち込んでました(^^;
2.家族と話し合う
時間をきちんと取って、
ご家族の意見を聞き、どんなライフスタイルにしたいのか
話し合ってもらいました。
ショウさんには、仕事を言い訳にせず、
ご家族の気持ちを十分に聴くようにアドバイス。
奥様には責めるのではなく、
心配しているんだというスタンスで話をしてもらい、
お子さんには、お父さんと遊びたいという素直な気持ちを
ぶつけてもらいました。
結果、家族のためにと頑張っていたのに、
いつの間にか、仕事が中心の生活になっていた
と気が付かれました。
ショウさん「俺は一体何をしていたんだろう….」
と、またまた落ち込んでしまいました。
3.どんなライフスタイルを送りたいのか
お金を稼ぐことはとても大事です。
では、いくら稼ぐと足りるのでしょうか?
人間の欲は中々歯止めがかからないものです。
年収1000万円達成したら、次は5000万円を目指したくなります。
では、いったい何億稼げるようになったら足りるのでしょう?
ショウさんに尋ねたところ、
「そりゃあ、年に1億は稼ぎたい!」
とのことでした。
ですよね(^^;
でも、
その目標達成に何年かかるのか考えてもらい、
子供たちと過ごせる時間は先延ばし出来ないことを
再認識してもらうと、
はっと気づきがあったようです。
次にどんな生活がしたいのかと、
「働かず、豪邸に住み、使用人を雇い、
高級車を何台も買い、パーティ三昧の生活を
望んでいるのですか?」
と尋ねると
「そうじゃない。
仕事はやりがいを感じるからずっと続けたいし、
子供たちに贅沢三昧させたいわけじゃない。
最初に思い出した夢、あれを実現したいだけなんだ。」
4.夢を実現するために何をするのか?
①お金
ライフプランをシュミレーションすると、
必要なお金が大体わかります。
住みたい家、教育資金、旅行の費用、
などなど具体的に家族で考えてもらいました。
②時間の使い方

365日24時間いつでも仕事が出来る環境にあるため、
ついつい仕事を優先してきたショウさん。
その結果、家族の心配、不満が溜まり、
ショウさんの健康も危うくなり、仕事をする上で大切な
パフォーマンスも上がらず、八方ふさがり状態です。
オン・オフをしっかり切り替えることを
家族に約束し、
受講生の方達にも理解を求めました。
近くに仕事部屋を借りて、
仕事とプライベートを場所でも区別します。
全部自分一人でやっていたので、
外注できる部分は全て外注に回し、
今後、アシスタントが出来る受講生を育てたり、
仕事の量を減らすことにも着手してもらいました。
売れっ子で超多忙な漫画家さんは、
夜7時にきっちり仕事を終え、土日は仕事をしないと
決めて実行されているそうです。
出来る人は違うんですね。
③しっかり睡眠時間を確保する
平日は仕事、土日は休みと決めたショウさん。
ぐっすり眠るためには起床時間と就寝時間は固定することを
おススメしました。
睡眠負債が溜まっている状態ですので、
出来るだけ時間は長く眠って欲しいところ。
朝は7時半起床、夜11時半には必ず就寝すると決めました。
④睡眠の質を高める
仕事のパフォーマンスを上げるためには、
まず睡眠負債状態から脱却したいところ。
とはいえ、睡眠負債を返却するには、
かなり時間がかかります。
健康な人10人を集め、
無理やり14時間ベッドに入れた実験があります。
平均睡眠時間7.5時間だったのにもかかわらず、
睡眠時間が固定するまでに3週間かかり、
平均8.2時間の睡眠時間となりました。
これは、40分の睡眠負債を返すために
毎日14時間ベッドにいる生活を3週間続けなければいけないことがわかった実験です。
かなり睡眠負債が溜まっているショウさん、
おそらく40分どころではないでしょう。
平日は必ず11時には就寝すると約束しましたが、
それだけでは足りません。
仕事も続けなければならず、
土日ゆっくり寝ても睡眠負債は解消できません。
そこで、「スタンフォード式最高の睡眠」著者西野精治教授が
推奨されている睡眠の質を上げる方法を取り組んでもらいました。
スタンフォード式最高の睡眠方法
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所長である西野精治教授の
著書 『スタンフォード式最高の睡眠』からご紹介します。
西野精治教授は日本に《睡眠負債》という概念を
紹介された睡眠の研究の権威です。
最初の90分を深く眠る!
眠りに落ちた後に現れる最初の90分間の
ノンレム睡眠が一番深い眠りです。
ご存じのように、ノンレム睡眠とレム睡眠が
交互に4~5回明け方まで現れます。
最初のノンレム睡眠が一番深く、
目覚め近くのレム睡眠が一番浅いのが理想的な
波形です。
1.グロースホルモン(成長ホルモン)が一番たくさん分泌される
2.眠りたいという睡眠圧が一番解放される
=目覚めの良さにつながる
3.その後の眠りのリズムが正常な形になる
4.最初の90分を深く眠ることで睡眠の質を高められる
ショウさんには、最初の90分を深く眠るための7つのポイントを
実行してもらいました。
1.起床時間を固定する
2.朝は太陽の光を浴びる
3.朝ごはんを摂る(体内時計リセット)
4.朝の軽めの運動(汗だくは避ける)
5.夜の照明は暗めに
6.入浴は就寝の90分前(深部体温を上げる)
7.眠りの環境を整える(温度、照明、音、ホコリ、通気性、寝具類)
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
⇒睡眠の優しい基礎知識⑤ぐっすり眠るためのポイントは7つ!
ブログ指導者の睡眠改善結果
ショウさんは、家族、受講生のみなさんにも協力してもらい、
はじめの3週間、長めに睡眠時間を確保しつつ、
最高の睡眠をとる方法を私のサポートを受けながら実行して、
かなり元気になりました。
もちろん見た目も肌ツヤもよくなり、自信にみなぎり、、
信頼に値する容姿に!
頭がスッキリしていると、仕事の処理能力も上がり、
新しいアイデアもどんどん湧いてくるようになったそうです。
仕事時間は短くなりましたが、
内容ははるかに濃くなったと大喜び!
奥様も、子供さんたちも以前のショウさんが戻ってきたと
うれしそうです。
ショウさんは一番大切な事に気が付けたと
言います。
健康を損ねては、お金がいくらあっても
家族を幸せにできない
ということ(^^♪
よかったですね!
まとめ
今回の相談者さんの問題点は次の4つでした。
1.昼夜問わず仕事
2.心身に疲労感
3.家族との時間がない
4.以前のようにアイデアが浮かばない
これらは睡眠を優先順位第一位にすることで、
全て解決しました。
仕事を第一に睡眠を軽視していると、
いづれ、心身の不調をきたし仕事も上手くいかなくなります。
睡眠不足では事故に遭う確率も上がり、
見た目からもチャンスを逃しかねません。
睡眠を味方につければ、 仕事もプライベートも充実させることが
出来るとお分かりいただけましたか?
ただ習慣化は一人では難しい面もあります。
もし、サポートが必要でしたら下記コメント欄より
ご連絡ください♪
快眠アドバイザーである私がお手伝いできることが
あるはずです。
それでは、
今夜も最高の眠りがあなたに訪れますように!
参考文献:スタンフォード式最高の睡眠 西田精治著